駐車場の寸法についてお悩みの方、この記事にたどり着いていただきありがとうございます。
建物を優先しがちな家づくりですが、実は駐車場の寸法も快適な生活を送る上では非常に重要なポイントです。
この記事では、駐車場の基本寸法から、寸法を決める際のポイント、注意点、おすすめアイテムまで詳しく解説します。
この記事を読むことで、駐車場の寸法に関する疑問が解消され、理想の駐車場を設計するための知識が得られます。注文住宅を検討中のご家族はぜひ最後まで読んでみてください!
駐車場の基本寸法とは?
駐車場の基本寸法を理解することは、家づくりにおいて非常に重要です。適切な寸法を確保することで、日常の駐車がスムーズになり、ストレスを軽減することができます。
ここでは、まず駐車場の幅や奥行き、車種による違いについて解説します。
駐車場の幅はどのくらいあればいいの?
駐車場の幅は、車の乗り降りやドアの開閉を考慮して決める必要があります。
一般的には、乗り降りに使うスペースとして約60cm必要と言われています。
運転席側・助手席側とそれぞれにスペースを考えると駐車場の幅は『車幅+120cm』あるとよいでしょう。
車をサイズ別で見てみると軽自動車の場合1.5m、中型車で1.7m、大型車だと1.85m程度の車幅となります。そのため『2.5m~3.0m』できれば3.0m確保できると、どんな車でもゆったりとした駐車スペースの確保が可能です。
ただし、車の台数や道路との敷地の接道状況などによっても条件は変わってくるため、注意しましょう。(後ほど解説します)

駐車場の奥行きはどれくらい必要?
駐車場の奥行きは、車の全長に加えて、後部のバックドアを開けるスペースや人が通ることを考慮しておく必要があります。
車種にもよりますが、『車の全長+60cm』程度見込んでおくとよいでしょう。
また、車が敷地ギリギリの駐車となってしまうと通り抜ける際に道路へ飛び出してしまうなどの危険性もあるため、前方にも30cm程度余裕を持っておくとより安心して駐車可能です。
軽自動車の場合、全長が3.4m程度のため4.0mほどあれば駐車可能です。
ワンボックスカーなどの大きめの車の場合は、全長4.9m程度あるため、5.5m程度の奥行きが必要になります。
ただし、この車種を選ぶ人は家族の多い人やアウトドアが趣味で荷物をたくさん積みたい人なども多いため、6.0m程度確保しておくと余裕を持って駐車することが可能になります。

車種によって必要な大きさは変わるの?
前述したように車種によって駐車場の必要寸法は変わります。
以下にサイズ別の参考車種の車幅・全長をまとめておきますので参考にしてみてください。
自動車タイプ | 参考車種 | 車幅 | 全長 |
---|---|---|---|
軽自動車 | ホンダ:N-box スズキ:スペーシア ダイハツ:タント |
1,475mm | 3,395mm |
コンパクトカー | トヨタ:ヤリス、アクア 日産:ノート ホンダ:フィット |
1,695mm- 1,720mm |
3,950mm- 4,110mm |
ミニバン ワンボックスカー |
トヨタ:シエンタ、ヴォクシー、アルファード ホンダ:フリード、ステップワゴン 日産:セレナ |
1,695mm- 1,850mm |
4,260mm- 4,995mm |
「車幅+120cm」「全長+90cm」を目安にスペースをつくりましょう。
まずは自分の車のサイズを知ろう
車種によっても必要な駐車場の寸法が変わることが分かりました。
そのためまずは「自分の車のサイズを知っておく」必要があります。
自分の乗っている車のサイズを知る方法としては、
- 実測する
- インターネットで検索する
- 車検証を確認する
などがあります。
同じ車種でもグレードや仕様によってサイズが異なることがあるため、1番間違いないのは「車検証を確認する」方法です。
車検証の「長さ・幅・高さ」の項目を確認することで自身の車のサイズを把握することが可能です。

将来の乗り換えの可能性も考えておく
今乗っている車が駐車できるかどうか調べておくことは重要です。
しかし、乗っている車が古くなった、生活スタイルが変わった、家族が増えた、新しい趣味ができたなどを理由に車種が変わる可能性があることも考慮しておかなくてはなりません。
必ずしも車が大きくなることを見越して広いスペースを取っておくことだけが正解ではありませんが、今乗っている車がギリギリ停められる寸法だけ残して、あとは建物や庭のスペースにするといった無茶な計画はしないようにしましょう。
複数台の場合はどうする?
車が1台の場合の寸法について解説しましたが、「複数台車を所有している」「来客用駐車場を用意しておきたい」などの理由から2台以上の駐車計画を必要とするケースも少なくありません。
その場合に覚えておきたいのは「共有」の考え方です。
並列駐車の場合

複数台を並列で駐車する場合は、車Aの助手席側と車Bの運転席側のスペースは共有することができるため、それぞれに+60cm見ておく必要はありません。
例えば車幅1.7mのコンパクトカーと1.8mのワンボックスカーを配置する場合、
「0.6+1.7+0.6+1.8+0.6=5.3m程度」の幅を用意しておけば問題ありません。
奥行きは並列の場合2台のうち大きい車を基準とすればいいので4.9+0.6=5.5m程度確保しましょう。
まとめると「5.5m×5.5m」程度のスペースがあれば2台分の駐車スペースは確保できますが、余裕を持って確保できる場合は「6.0m×6.0m」程度あるとより人の出入りや荷物の積み下ろしがラクになります。
3台以上になる場合も同様に共有部分を考慮してスペースを考えてください。
縦列駐車(縦に2台配置)の場合

縦列駐車(縦に2台配置)の場合は、駐車場と道路の関係性によっても必要なスペースが変わってきます。まずは道路と駐車場が垂直関係の場合を見ていきます。
幅は今までの考え方と同じで「3.0m程度」あるとよいでしょう。
奥行きについては、2台の車の間に60cm程度のスぺースと奥の車の後ろにも同様に60cm程度確保します。道路側にも若干のゆとりとして30cm程度確保しておくと安心です。
コンパクトカーとワンボックスカーとして仮定すると「3.0m×11.0m」のスペースを確保しておくと安心です。

一方で道路と駐車場が平行関係の場合は必要スペースが異なります。
幅は同様に「3.0m程度」で問題ありませんが、奥行きに関しては大きく変わってきます。
縦列駐車をするために1台あたり全長の1.5倍程度のスペースが必要となります。
2台の場合もそれぞれに同様のスペースが必要なため、コンパクトカーとワンボックスカーの組み合わせでも13.5m程度の奥行きが必要となります。 車Aと車Bの間に一部共有できるスペースもありますが、縦列駐車は通常よりも技術が必要となるため、余裕をもった計画をしておくとよいでしょう。
駐車場寸法を決める際のポイント
駐車場の寸法を決める際には、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。
ここでは、駐車場の配置の考え方やスペースの有効活用方法について解説します。
駐車場→庭→建物の順に考える
家づくりというと建物を考えてそれに付随するものとして庭や駐車場を考えがちです。
しかし、実際には外から内へ「駐車場→庭→建物」の順に考える必要があります。
先に間取りや建物の位置を決めてしまうことでそのしわ寄せがすべて駐車場にいってしまい、毎日使う駐車場が使いづらくなってしまう可能性があります。
そのため駐車場から考え、次に庭。
そのうえで庭の眺望を生かした間取りや建物配置といった順に考えることでバランスの取れた家づくりが可能になります。

敷地の状況によって駐車場の配置も変わる
敷地の形状や道路の位置、敷地の高低差、方位(陽当たり)などによって駐車場の位置はある程度決まってきます。
道路から出入りしやすい位置に配置するのはもちろんのこと、道路と敷地の高低差がある場合は、一般的に高低差の小さい位置に駐車場をつくります。
高低差の大きい位置に駐車場を作ることも可能ですが、残土処理や擁壁工事など余分に費用が掛かってしまう恐れがあるため注意が必要です。

道路幅員によって必要な駐車場の幅も変わる
車は弧を描きながら動くため、前面道路の幅(道路幅員)によって必要な駐車場の幅も影響を受けます。
前面道路が狭い場合、駐車場の幅を広く取る必要があります。例えば、前面道路が4m程度の場合は、駐車場の幅を3.6m程度確保することが理想です。
前面道路が広い場合は、駐車場の幅を少し狭くしても問題ありませんが、車の出入りがスムーズに行えるように設計することが重要です。
敷地の中だけでなく、周辺環境も含めて適切な駐車場寸法を検討しましょう。

スペース兼用の裏技も
駐車場と庭やアプローチを兼用することで、スペースを有効に活用することができます。
例えば、駐車場の横に玄関アプローチがあれば駐車場の幅を広く確保しておかなくても乗り降りのしやすい駐車場をつくることが可能です。
設計の際にはうまくスペースの兼用ができないかも考えてみましょう。

駐車場を考える上での注意点
駐車場を設計する際には、いくつかの注意点を押さえておくことが重要です。
ここでは、カーポートの寸法や雨水桝、給湯器や室外機の配置について解説します。
カーポートの寸法にも注意
カーポートを設置する場合、柱の位置にも注意が必要です。
車のドアの開閉や旋回の位置を考慮して、柱の位置を決めるようにしましょう。
車種によっても異なりますが、2台分のカーポートを設置する場合、柱と柱の間を5.5m程度確保するようにしましょう。またカーポートには雨水を排水するための雨樋が設置されているため、排水の方向等も検討が必要です。

駐車場の傾斜も考えよう
駐車場をつくる場合、土間コンクリートを打設してつくるケースが多く見られます。
その場合に注意が必要なのが、駐車場の傾斜です。
傾斜が緩すぎると雨水が敷地外へうまく流れずに溜まってしまう可能性があります。逆に傾斜が急すぎると出入りが難しくなってしまったり、バランスが取りづらく転倒しやすくなってしまいます。
理想の駐車場の傾斜としては2-3%を目安としてつくるようにしましょう。

境界ブロックにも注意しよう
隣地との境界をはっきりと分けるために境界ブロックを設置することがあります。
このブロックが低い場合運転席から視認しづらく、出入りの際に車体を擦ってしまうことがあります。
もし設置する場合は道路から一定距離下がった位置からブロックを設置するなど巻き込まないような工夫をしておきましょう。

雨水枡や水道メーターの位置も考えよう
雨水桝や水道メーターの設置位置にも注意が必要です。
車が乗り上げる位置につくってしまうことでこれらの設備が破損してしまう可能性があります。
また、駐車場の目立つ位置にこれらの設備があると美観的な印象を損なう恐れもあるため、建築会社の担当者と相談の上配置計画を考えるようにしましょう。

給湯器やエアコン室外気の位置にも注意
見落としがちなところで注意が必要なのが、給湯器やエアコン室外機などの設備機器です。
間取りの計画段階だとおおまかに駐車場や建物配置の計画を考えます。
しかし、実際に建築計画が進んでいくとそこに前述した設備の配置まで具体的に落とし込んでいきます。計画を進めてみたら給湯器を置く場所がなく、駐車場が削られてしまったなど問題が起こらないように注意するようにしましょう。

駐車場のおすすめアイテム
駐車場をより使いやすく、安全にするために便利なアイテムがあります。
いくつか紹介します。
パーキングブロック(車止め)で事故防止

パーキングブロック(車止め)は、駐車場の後方に設置することで、衝突防止に役立ちます。
また、パーキングブロックがあることで駐車位置の目安とすることも可能なため、運転の苦手な方によっては非常に便利なアイテムとなります。
デザイン性に優れたものやバータイプのものなど様々なアイテムがあるのも特徴です。
駐車場ミラーで安全に
駐車場ミラーを設置することで、駐車時の視界を確保し、安全に駐車することができます。
特に敷地を門や塀などで囲うクローズタイプの外構にする場合は、視界が遮られてしまう恐れがあるため、ミラーを設置することで安心して出入りを行うことが可能になります。

その他にも屋外照明を設置することで防犯性を高めるとともに夜間の駐車のしやすさを確保したり、車を保護するために壁に取り付け可能なコーナーガードを設置したりと様々なアイテムを用いて安全性を高めることが可能です。
まとめ
いかがでしょうか?
駐車場の寸法を決める際には、車のサイズや使用頻度、前面道路の幅などを考慮することが重要です。
2台分の駐車場を設置する場合は『5.5m×5.5m』、余裕を持って計画する場合は『6.0m×6.0m』の寸法を確保するようにしましょう。
また、カーポートや雨水桝、給湯器などの設備にも注意が必要です。
セキスイハイム東海では、注文住宅・分譲住宅を、静岡県にてご提案しています。
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