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【当事者が語る】セキスイハイムと積水ハウスの違いとは?

「積水ハウスとセキスイハイムって何が違うの?」、家づくりをスタートされた方で、疑問に持たれる方、もしくは何も疑問を持たずに違う会社とも認識しないまま家づくりを終える方もいるのではないでしょうか?実際にセキスイハイムの展示場の来場予約があった際、担当者に聞き覚えがない名前だなと思い検索すると、その担当者は積水ハウスさんの社員だったなんていうことがあったり、家の修理点検の電話で、よくよく聞いていくと、積水ハウスさんの家だったなんていうこともあったりします(笑)。両社の違いを歴史を紐解きながら解説していきます。

積水化学工業の歴史

同じ「セキスイ/積水」という名を冠している理由は、両社ともルーツが積水化学工業にあります。
積水化学工業とは1947年に、日本最大の化学企業グループであった日本窒素肥料株式会社を母体として生まれました。(当時は積水産業株式会社)日本窒素肥料株式会社は戦前、水力発電事業を興し、そのエネルギーを利用して様々な化学事業を行ってきた会社です。
「積水」とは中国最古の兵法書『孫子』にある言葉で、「勝者の戦いは積水を千仭の谷に決するがごときは形なり」(十分な準備の上、蓄えられた水を深い谷に落とすような勢いをもって戦うことが大事) という言葉が由来です。
水力発電も水をダムに蓄え、勢いよく落とすことから「積水」という言葉は昔から社内で親しまれていたようです。実はへーベルハウスさんの母体である旭化成株式会社も同じく日本窒素肥料株式会社にルーツを持っていたりします。

プラスチックの総合的事業化から様々な事業が発展

新しい素材である「プラスチック」の整形・加工メーカーを目指して誕生した積水化学は、セロハンテープやポリバケツ、硬質塩化ビニル管「エスロンパイプ」などを生み出します。
経済成長による需要拡大で、生産基盤の拡大と並行して、新製品開発の研究と技術革新に取り組んでいきます。その過程で「積水ハウス」や「セキスイハイム」も生まれていきます。
現在では「住宅」「環境・ライフライン」「高機能プラスチックス」の3本柱で、IT、車輛材料、検査薬など皆様の身の回りの至る所で利用されています。現在では従業員数約2.7万人、売上高1.2兆円を超える企業となり(2023年3月期連結)世界で最も持続可能性の高い100社「Global 100」に選出されるなど、その企業活動はグローバルに高い評価を受けています。

積水ハウスの誕生

実はセキスイハイムが誕生する約10年前の1960年3月に積水化学工業内で、「セキスイハウスA型」の試作が完成し、ハウス事業部が発足します。
このセキスイハウスA型は日本で最初のプレハブ住宅と言われています。このセキスイハウスA型で建てられた「山崎家及び臼井家別荘」は登録有形文化財(建造物)にもなっていたりします。
このハウス事業部は1960年の8月には積水ハウス産業株式会社として分離独立します。その後、積水ハウス株式会社と名前を変え1964年の東京オリンピックなどの高度経済成長期の住宅需要の増大もあり大きく成長し、累積建築戸数は世界NO1の258万戸(積水ハウスHPより引用)を誇り、半世紀以上に渡り住宅産業をリードしてきました。
現在では、国内の住宅需要が減少し続けていることもあり、積極的に国際事業に取り組まれており、中期経営計画では、海外売上を2023年4825億円から2025年には9270億円へ倍増する計画が立てられていました。

セキスイハイムの誕生

高度経済成長の終わりを迎え、急激な成長を遂げた日本には様々な問題が顕在化してきており、住宅も供給が追い付かない状況から、転換期を迎え「質」を求める時代へと変化していきます。
その中で積水化学工業は1969年に住宅事業推進本部を新設し、東京大学の当時大学院生であった大野勝彦氏と「現代民家システム」=工場生産率80%を超えるユニット工法を開発します。
1970年8月に「セキスイハイム」の事業化を決定し、同10月の「国際グッドリビングショー」に日本初のユニット住宅「セキスイハイムM1」を出品します。
高品質・高性能・コストパフォーマンスの高さを実現したセキスイハイムは、1971年の発売から3年で累積受注が1万棟を突破します。
当時、ダイワハウス(創業1955年)積水ハウス(創業1960年)から10年後れての出発であり、同じような商品を世に送り出していたとすれば、ここまでの成長はなかったのではないでしょうか。化学の会社として、後発の会社として「画期的なものを世に送り出したい」という情熱があったからこそ現在、全国で最も売れている鉄骨住宅会社に成長できたのだと思います。(2022年4月1日~2023年3月31日住宅産業研究所調べ) その後も、ユニット工法による木造住宅の開発や、いち早く太陽光発電システムを搭載した住宅を販売するなど、一歩先行く未来の住まいづくりを目指しています。

セキスイハイムと積水ハウスの共通点

さて、両社の歴史を紐解いてきましたが、「積水化学」を母体にしている関係で共通点もあります。その一つが社章です。我々の勤めるオフィスビルにも積水ハウスさんの事務所があります。エレベーターなどで一緒になることもありますが、同じ社章をつけています。

創業時の積水産業(SekiSuiSangyo)から3つのSをとり、「水」という漢字をイメージして作られています。この3つのSは、Service, Speed, Superiorityという社是も表しています。

セキスイハイムと積水ハウスの違い

積水化学という母体は同じですが、成り立ちが全く違う両社となるので、「住宅建築」に対する考え方は全く異なります。
軸組工法で比較的自由な現場施工で家を作っていく積水ハウスに対して、工場で家の大半を作るセキスイハイム。
基礎も布基礎を採用する積水ハウスに対して、ベタ基礎のセキスイハイム。
HEMSや太陽光発電+蓄電池などのスマートハウスで効率化やなるべく電気を使わない暮らしを提案するセキスイハイムに対し、素材の質感やデザインを追求する積水ハウス。

このあたりの家の考え方については、それぞれのHPでご確認いただければと思います。
セキスイハイムの家づくりについて詳しく知りたい方はhttps://www.816t.jp/tyumon/を御覧ください。

皆様の家づくりの参考となれば幸いです。

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