家づくりで迷うことの1つに階段位置があると思います。
近年家族のコミュニケーションが取りやすいと、リビング階段が人気なこともあり、設置を検討している方も多いのではないでしょうか。ただしリビング階段にはデメリットもあるため、注意が必要です。それぞれのメリット・デメリットとその対策を解説していきます。
リビング階段とは
リビング階段とは、リビングルームを通らないとアクセスができない階段のことを指します。
多いのはリビング内に階段そのものを設けるパターンです。
リビングの中に設置しなくても、リビングを通らないと他の階にアクセスができない階段であれば、リビング階段と呼ばれます。
一方で、リビング階段ではないものは、ホール階段、廊下階段などと呼ばれます。
リビング階段の例①

玄関を入り、リビングの中に階段が設置されています。リビング内階段とも呼ばれます。
リビングの中に階段があるので、必ずリビングを通らないと2階へはアクセスできません。
リビング階段の例②

リビング内に階段が設置されてはいませんが、リビングを経由しないと階段にはアクセスできません。
このようなパターンもリビング階段と呼べそうです。
リビング階段ではない例①

こちらの階段は、玄関から直接階段にアクセスできるようになっています。
ホール階段の例となります。
リビング階段ではない例②

リビングからも玄関からもアクセスできるような動線も作ることはできます。
来客用の動線と、家族用の動線を分けた例です。
この後にお伝えするデメリットも解消しやすくなりますが、建物が大きくなりコストが嵩みがちです。
リビング階段のメリット
さて、ここからはリビング階段のメリットをお伝えしていきます。
おしゃれなLDKが作りやすい
最近はオープン階段なども人気があり、階段そのものがオブジェとして楽しまれる傾向があります。
ホールに設置した階段だと、眺めて楽しむというわけにはいきませんが、リビングに設置された階段であれば常に目に入り、インテリアの一部して楽しむことができます。

階段と共に、吹き抜けなどを設置することで、LDKを開放的な空間として演出することができますし、光も抜け明るい空間を作ることもできます。

反対に、玄関に階段を設置することで、玄関をおしゃれに演出することもできます。
玄関は、家の顔とも呼ばれますので、来客者へのインパクトは大きいですね。ただ、せっかくのおしゃれな階段を眺めて楽しみたい方は、LDK設置一択です。
家族のコミュニケーションが取りやすい
リビング階段を設置した人に、設置理由を聞いてみると多いのが、帰宅した子供が直接子供部屋に行くのではなく、リビングで家族に顔を見せてから自室に行って欲しいからということがあります。
ただこちらに関しては、階段がホールにあったとしても、ただいまとリビングに一言声をかける習慣などがあれば、十分コミュニケーションは成り立ちますし、リビングに階段を設置したとしても、挨拶もなく、目も合わせずに自室に行くとすれば、コミュニケーションが取れてるとは言い難いので、難しいところではあります。
帰宅や外出の状況はつかみやすくなるのは事実です。

間取りが作りやすい
ホールだけに限定されないリビング階段は、階段位置をある程度自由に設計できる分、間取りが作りやすかったり、生活動線が便利になったりします。
またホールスペースを無くすことで、余分なスペースを削減することも可能です。
リビング階段のデメリットとその対策方法
一方で、リビング階段にはデメリットも多いのも事実です。
「最近リビング階段が増えてきた」ということは、つまり「昔はリビング階段はあまり作られなかった」とも言い換えられそうです。
具体的にどのようなデメリットがあるのか、その対策も含めてみていきましょう。
冷暖房効率が悪い
リビングに階段を設置することで、階段を通じて空気が流れるため、リビングの冷暖房効率に影響がでます。オープン階段や吹き抜けを設置する場合はより注意が必要です。
対策としては、
- そもそも高断熱高気密の性能の良い建物を選ぶ
- 階段にドアを設置して階段とLDKを仕切れるようにする
- シーリングファンを設置する
の3つがあります。

上記はリビング階段の例ですが、リビングと階段の間にドアが設置されているため、冷暖房に影響が少なくなります。ロールカーテンなどを設置する場合もありますが、ドアの方が確実です。

シーリングファンの設置も効果的。夏と冬で回転の向きを変えることに注意が必要です。
音が2階に響きやすい
LDKは、テレビを見たり会話を楽しんだりアクティブに過ごすことが多い場所。
空気や光と共に音も運ばれやすくなります。暮らしてみると思った以上に音が響いて失敗した!という声が多いのも事実です。
事前に展示場やモデルハウスなどで音の響き方を確認してみると良いでしょう。
対策としては、
- 2階の各部屋のドアを防音性の高いものを選ぶ
- 階段にドアを設置して階段とLDKを仕切れるようにする
の2つです。
2については、先ほどの冷暖房効率の場合と同じです。
階段にドアが設置できれば、防音性の高いドアを選ぶ必要はないと思います。
プライバシーの確保がしにくい
リビング階段で一番困るのが、友達を連れて遊びに来た場合、必ずリビングを通ることになる点です。
そもそも来客がなく、友達を連れてくることが無いご家庭であればなんら問題はありません。ただ、賃貸の場合には子供が友達を連れてくることが無かったが、新築したとたんに友達を連れてくる機会が増えたといった話はありますので、事前に想定しておく必要はあります。
ある程度他人に見られても大丈夫なようにLDKを整えておく必要がでてきますし、ご自身の服装や髪型なども何でもよいというわけにはいかなくなります。
対策には以下のような点があります。
- 玄関からもリビングからもアクセスできる動線にしておく
- LDKから階段への動線を短く工夫する
- 整理整頓、服装などをきちっとし見られても良い習慣をつける
1だとリビングを通って欲しい家族までも、来客用の動線を使ってしまい意味がなくなってしまうケースも考えられます。また、建築面積が大きくなりコストも上がりがちです。
3はお客様が来なくても常に整理整頓されている家は気持ちが良いと思いますのでこちらが推奨です。

2のパターンの例
こういった間取りであれば、リビングを通過するものの、そこまで気にならない一方で、うっかりすると子供の帰宅や外出に気づかないかも知れません。
プライバシーについては、メリットとデメリットが相反しますので、どちらを取るかの2択になります。
お子様がある程度大きくなってから新築する場合には、お子様の意見にも耳を傾けることも必要かも知れませんね。
火災の場合、2階から逃げにくい
あまり考えたくはありませんが、火事の場合も想定しておく必要があります。
総務省消防庁が出している令和6年版消防白書によると、建物火災の原因で多いのが「たばこ」「たき火」「コンロ」になるようです。
LDKで火災が発生した場合、リビング階段だと2階からの避難経路が確保しにくくなる可能性があります。煙や火は、縦に勢いよく広がります。
階段の開口から煙がや火が上る可能性が高いと言えます。
対策は以下の通りです。
- 煙探知機や防炎対策を講じておく
- 事前にいざという場合に避難経路をどうするか考えておき、階段を使わず窓から避難できる方法を用意しておく
いくら安全対策を講じていても、火災になるリスクを0にすることはできません。
階段が使えないケースに2階からどう逃げるのかを事前に話し合っておきましょう。
リビング階段の施工事例
ここまでメリットデメリットを見てきました。
リビングをおしゃれに充実させたい!外出、帰宅時には必ず家族と顔を合わせたい!という方は是非リビング階段を採用してください。
ここからは、セキスイハイムで家を建てていただいた方のリビング階段の施工事例を紹介します。
Case1.吹抜けとオープン階段は譲れない!スタイリッシュなデザイン住宅

袋井市T様は、インスタグラムで家づくりの情報を収集する過程で、「吹き抜けとオープン階段は譲れない」というところから家づくりをスタートされました。
マナック社のスチール階段(オープン階段)をLDKに設置し、吹き抜けと組み合わせて開放的でおしゃれな空間を作られました。家のシンボルとなっています。
詳しく実例を見たい方はこちら▸
case2.LDKの広さを最大限に楽しむ間取り

case3.キッチンを中心とした使い勝手のいい生活動線

リビング階段魅力の1つに、動線の良さもあります。
浜松市Y様はキッチンを中心とした生活動線が、お子様のお風呂を入れたり、2階へあがったりにとても便利だそう。
オープン階段でなくても、オブジェとしての階段がLDKに彩りを与えてくれています。
詳しく実例を見たい方はこちら▸
case4.約30帖のLDKとオープン階段の開放的な社員邸
case5.後悔ポイントも!?奥様ご要望の漆黒のオープン階段
まとめ
いかがでしたでしょうか?リビング階段はおしゃれなLDKを作れるなど生活を豊かにしてくれます。
一方でデメリットも存在するため、皆様の生活スタイルに合わせて採用を検討していただければ幸いです。
イメージだけではなく、実際に見学して検討することをお勧めします。
おしゃれなリビング階段を実際に見学できるセキスイハイムの展示場が静岡県内にたくさんございます。皆様のご来場をお待ちしております。
