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電気の自給自足を目指す生活

「太陽光発電×蓄電池×HEMS」でできる
電気の自給自足を目指す生活

近年多くの住宅で採用されるようになった太陽光発電システムや家庭用蓄電池、それと合わせて普及しているHEMS(ヘムス)。これらを備えた住宅を総称して「スマートハウス」と呼びます。
地球環境の問題やエネルギーリスクの高まる現代においてさらに注目を集めています。
しかし、実際採用した場合の具体的なメリットやデメリット、「どのくらいの費用が掛かるの?」「本当に元が取れるの?」「どのくらいの容量があればいいの?」など分からないことも多いのではないでしょうか?
こちらの記事ではそんなみなさまの疑問やお悩みにお応えしていきたいと思います。

スマートハウスではなにができる?

まずは下の図をご覧ください。現在の住宅では、先進設備の進化でスマートハウス化されたことで便利で快適・安心な生活が送れるようになっています。

具体的には

  • 太陽光発電にて発電した電気を自宅で使用し、電力会社等からの電気の購入を押さえることで光熱費の削減
  • 発電した電気を蓄電池へ充電、夜間の高い電気を買わずに放電することで光熱費を削減
  • 災害などの停電時に蓄電池の電気を使用。照明やコンセントの使用はもちろん、仕様によっては調理器具や空調にも利用可能。冷蔵庫の食品も安心
  • スマホでお風呂のお湯はりや空調の管理、宅配ボックスへ届いた荷物の通知

などがスマートハウスでできることの代表例です。

快適な生活は「電気エネルギー」によって支えられている

これらの便利な生活を支えるのは、電気を創る太陽光発電システムやそれをためこむ蓄電池システム、車と電気をつなぐVtoHシステム、またそれらを一括管理するHEMSの働きに他なりません。
つまり快適かつ便利、災害時でも安心して暮らせるこれらのシステムはすべてエネルギーとしての電気を必要とします。
そんな生活を支える電気ですが、取り巻く環境に変化が起こってきています。

電気を取り巻くさまざまな変化

値上がりを続けている電気代・ガス代

「最近我が家の電気代が高くなっている気がする…」と感じている方は多いのではないでしょうか?
実際大手電力会社10社の2022年5月分の電気料金は過去5年間で最も高い数字となっております。

※中部電力ミライズ電気料金計算例参照
 おとくプラン 40A、使用量320kWh、カテエネ会員でない場合を想定
 至近の燃料調整単価及び再生可能エネルギー発電促進賦課金単価より計算

1年間を通して同じ使用量を使ったとしても同月前年比約124%と高騰しております。
この傾向はガス代も同様です。
ではなぜ電気代(ガス代)が高くなってしまっているのでしょうか?

電気代(ガス代)の高騰はなぜ起きている?

結論からいうと、その原因は「エネルギー価格の高騰」にあります。
ここでいうエネルギーとは石炭や液化天然ガス(LNG)のことでどちらの価格も現在高騰してしまっています。
具体的にいうとコロナ禍からの景気回復で世界的に原油や天然ガスの需要が増えたこと、さらにウクライナ情勢の緊迫化によっても価格上昇が続いています。
日本はかねてより火力発電にて国内電力の大半をまかなっており、その燃料のほとんどは輸入に頼っています。
そのため、石炭や液化天然ガスの値上がりがそのまま電気代やガス代の高騰に直結してしまいます。
ではどうすればこの影響を小さくできるのでしょうか?

私たちにできることは、従来のエネルギーに頼らず「クリーンエネルギー」で暮らすこと

燃料価格の高騰により電気代が上昇する中、注目されているのが「クリーンエネルギー」です。
クリーンエネルギーとは二酸化炭素や窒素酸化物など、大気汚染・地球温暖化の原因となる物質を排出しない、あるいは排出が少ないエネルギーのことを指し、それには「水力発電・風力発電・地熱発電・太陽光発電・バイオマス発電」などがあります。

このクリーンエネルギーですが、大きな発電所が必要なものもありますが、家庭で取り入れることができるものもあります。

それが「太陽光発電」です。太陽光発電システムで自家用電気を自給し、家庭用蓄電池とHEMS(ヘムス)を組み合わせて効果的に消費することで、家庭の電気の自給自足ができるようになります。

スマートハウスで得られる3つのメリット

便利で快適・安心な生活をサポートしてくれるスマートハウスの暮らしですが、具体的にどのようなメリットがあるか見ていきます。
メリットは大きく分けて3つあります。

  • 買う電気を減らすことで経済的かつクリーンな暮らしができる
  • 万一の災害時にも避難所暮らしをせず、「在宅避難」ができる
  • 発電した電気を賢くコントロールすることで便利な暮らしをサポート

1. 買う電気を減らすことで経済的かつクリーンな暮らしができる

太陽光で自家用電気を発電

まず、太陽光発電システムを採用することで自宅にて発電することが可能になります。
発電した電気を使って生活すれば購入する電気を減らすことができるため、エネルギー価格の高騰の影響が少なくなります。

しかし、ここで従来はひとつ大きな課題がありました。それが「夜間の電気使用」です。
従来の太陽光発電システムのみでは、昼間の時間帯の電力をまかなうことはできたものの、発電ができない夜間については電気を買わざるを得ない状態でした。

蓄電池採用で高まる「自給自足」効果

その夜間の電力使用問題の解決策となるのが「家庭用蓄電池システム」です。
蓄電池を搭載することで昼間のうちに発電した電気を蓄電池に蓄えておくことで、それを夜間に使用することができ、買う電気をより減らすことが可能になります。
昼も夜も「電気の自給自足型の暮らし」をすることで、エネルギー価格の高騰による影響を受けにくくなり、経済的な暮らしを可能にします。

地球温暖化の抑制や化石燃料の枯渇防止など、SDGsにも貢献できる

太陽光発電システムにて発電した電気は、前述したようにクリーンエネルギーと呼ばれ、 二酸化炭素が排出されない、また排出が少ないエネルギーとなるため、地球温暖化の抑制や将来的な化石燃料の枯渇へも貢献可能です。
子ども・孫世代のことまで考え、世界・未来にまで貢献していく暮らしが可能になります。

2. 万一の災害時にも避難所暮らしをせず、「在宅避難」ができる

スマートハウスは、万一の災害時にも貢献します。それが「在宅避難」です。
仮にお住まいの住宅が地震に耐えうる耐震性の高い住宅だったとします。

スマートハウスでなければ、停電時に自宅で暮らせない

しかし、その家に太陽光発電×蓄電池×HEMSのスマートハウス設備が整っていなかったとすると停電してしまうと電気は使えません。
太陽光発電システムだけでも夜間は電気が使えないため、夏場であれば冷蔵庫の食材等が痛んでしまいます。
もし自宅での生活が困難な場合は避難所生活となりますが、避難所生活はかなり過酷なものになります。
下図は避難所体験者へ聞いた困りごとのランキングです。

図にあるように避難所生活では食料や水も不足します。
また季節による暑さ・寒さの問題や衛生面の問題、プライバシーの確保も非常に難しくなります。
最近では感染症の蔓延もあり、その点も大きな問題となります。

スマートハウスなら停電時の電力確保ができるため、在宅避難ができる

これらの問題に対し、「太陽光発電×蓄電池×HEMS」を搭載しておくことで、停電時の電力確保が可能になります。
蓄電池の容量にもよりますが、冷蔵庫内の食料の維持、IHによる調理、照明確保による二次被害の防止、情報収集のための電力確保(TV視聴、スマホ充電)などが可能です。
仕様によっては空調システムやその他家電製品まで通常通りの生活が可能になります。
万が一大きな災害で電力の購入ができない状態や途中で電気を使い切ってしまったとしても、建物さえ無事であれば翌日太陽光にて再度蓄電池への充電をおこなうため繰り返しの生活が可能になります。

※蓄電池の残量がないと復旧しません。停電時の電力使用が可能な範囲は、蓄電池や事前設計により異なります。同時に使用できる電力には限りがあります。消費電力が大きい機器や起動時の電力が大きい機器を使用した場合は、蓄電池がシステム停止となる場合があります。また、センサーや調光機能を搭載した照明や家電の機種により動作しない場合があります。

3. 発電した電気を賢くコントロールすることでさらにムダのない生活へ

HEMSは無駄遣いを徹底的になくすための最新テクノロジー

ここまでで、太陽光発電と家庭用蓄電システムのメリットはご理解いただけたかと思います。
では、最後に最近注目のHEMSはなんのためにあるのでしょうか?(HEMSとはなにかについて再確認したい方はこちらのページをご覧ください)
それは「電気使用量の見える化」です。これにより、ムダなエネルギー消費の発見や節電を意識づけられ、日々の暮らしにおける電気の使い方を見直しできます。
さらに、HEMSは太陽光発電や蓄電池などエネルギー関連設備だけでなく、給湯器や空調などの電気設備とも連携することができます。
電気設備と連携することで、例えばこのようなことができます。

天気予報をもとに湯沸かしをコントロール
翌日が晴れであれば電気を購入する夜間は満タンまで沸き上げず、夜間減らした分を含め翌日の発電で沸き上げをおこなう

家中の電力の状況をひと目で見える化
専用モニターやタブレット・スマホなどで部屋ごとの家電機器の電気使用状況をリアルタイムで確認。ムダな電力の発見や無理なく効率的な省エネを実践

他にも空調・給湯・照明などをスマホで操作したり、それをAIスピーカーと連携することで音声による操作したり、宅配ボックスへの荷物の通知や玄関や窓の施錠を確認したり、子どもの帰宅をお知らせしたりと、できることは多岐にわたります。

スマートハウス導入検討時の注意点

ここまで、スマートハウスのメリットを中心にご紹介してきました。「我が家を購入する際に導入を検討したい!」と思われている方もいるかと思いますが、いくつか注意点があります。
主な注意点は次の3つです。

  • 初期費用やメンテナンスにお金が掛かる
  • 必ずしも一定の電力を生み出せるわけではない
  • 蓄電池搭載のための置き場所が必要になる

1.初期費用やメンテナンスにお金が掛かる

スマートハウスを実現するためには、太陽光発電システム、家庭用蓄電池、HEMS機器を導入するためのコストが必要になります。
太陽光発電システム搭載に必要な設備価格の目安ですが、経済産業省のデータによると1kWあたり28.0万円(2021年)程度といわれています。
太陽光発電システムの搭載量も4kW程度もあれば多いと10kW以上搭載するケースもあります。大容量になれば1kWあたりの単価は安くなりますが、120-200万円程度搭載費用が必要となります。
蓄電池についても経済産業省にて1kWあたりの価格を2020年度には9万円/kWhを目指すとしておりましたが、現在15-20万円/kWh程度は必要となります。
こちらも容量により価格は変わりますが、家庭用だと4kWhから12kWh程度まであるため価格としては80-200万円程度必要となります。
HEMSについても専用機器とそれに連携するための配線工事費用も必要となるため、おおよそ20-30万円程度の費用が必要となります。
ただし、これらの機器については自治体ごとに補助金が出るケースやZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)支援事業により条件や予算はあるものの100万円程度の補助金を受けることも可能になります。

2. 必ずしも一定の電力を生み出せるわけではない

もうひとつのデメリットとしては、天候による影響を受けるため、必ずしも一定の電力を確保できるわけではない点です。
雨や曇りの日が続くなど日射量が少ないと晴天時と比べ充分な発電ができず、蓄電池の充電に必要な電力の確保が難しいケースもあります。
そのため、地域による影響も大きく、積雪の多い地域や雨の多い地域だと期待したほどの効果を発揮できないケースも考えられます。

3. 蓄電池搭載のための置き場所が必要になる

家庭用蓄電池を採用するためには、蓄電池を設置するスペースが必要になります。
設置する場所も大きく分けて屋外設置型と屋内設置型に分けられます。
屋外設置型の場合は、室内スペースを圧迫せずに済むというメリットはありますが、その一方設置する場所に注意点があります。
主には「直射日光があたらないこと」「高温多湿にならない場所」「豪雪地域や塩害地域でないこと」などがあげられます。
また屋外設置型の蓄電池は屋内設置型に比べると重量が比較的多く、容量により100-250kgとなるため、外壁に固定する場合などは長い目で見て注意が必要です。
また、昨今ではゲリラ豪雨や台風といった予期せぬ災害により水害のリスク等も考えられます。

屋内設置型の場合は、蓄電池本体が外気にさらされないため、天候や気候の影響を受けずに済む点はメリットです。
しかし、蓄電池本体が室内に来るため、居住空間を圧迫してしまいます。
また蓄電池の電気を家庭内で使用するために必要なパワーコンディショナーからは日常生活を送っている間には気になるような運転音ではないですが、深夜など生活音のない状態で本体の近くで就寝する場合などは運転音が気になってしまう可能性も考えられます。
いずれのケースにしても、設置場所の確保が必要な点はデメリットといます。

スマートハウスってどうなの?よくある質問

ここまででスマートハウスの概要をお伝えしてきましたが、他にもこれまでにお客さまからさまざまなご質問をいただいています。

  • Q.

    今の時代本当に儲かるの?元取れないのではないか?

  • Q.

    固定買取価格は年々安くなってるし、いまさら載せても遅いんじゃない?

  • Q.

    太陽光や蓄電池の保証ってどうなってるの?

  • Q.

    太陽光や蓄電池の寿命ってどうなの?

  • Q.

    太陽光発電や蓄電池はどのくらいの容量があればいいの?

  • Q.

    台風や地震などの災害があっても太陽光パネルは大丈夫?

  • Q.

    屋根に一体型になっている太陽光ってどうやってメンテナンスするの?

  • Q.

    太陽光や蓄電にも色々なメーカーがあるけどどこがいいの?

  • Q.

    ソーラー事業から撤退する会社のニュースを見たけど大丈夫なの?

  • Q.

    光熱費シミュレーションを勧められたけどあれってどうなの?正確なの?

  • Q.

    太陽光+蓄電池+HEMSがあれば本当に災害時なんの不自由もしなくて済むの?

  • Q.

    太陽光や蓄電池からの電磁波って大丈夫?健康被害って起きないの?

  • Q.

    太陽光や蓄電池の影響で火事が起きたりしない?

  • Q.

    太陽光パネルって屋根にあるけど掃除しなくていいの?

  • Q.

    オール電化にするよりガスと併用していた方が、災害時安全じゃない?

これらについては、「セキスイハイムミュージアム」で、展示設備や専門スタッフが分かりやすく解説いたします。ぜひ「セキスイハイムミュージアム」へ足をお運びください。