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最近のトレンドの取り入れ方・注意点

失敗しない間取り作成の考え方と
最近のトレンドの取り入れ方・注意点

「間取り図ってどうやって考えていけばよいの?」「最近の間取りのトレンドは?」など、間取りを考えていくうえで、みなさんこのような疑問を持ったことはありませんでしょうか。
こちらの記事では、そんな間取りを検討していくうえでのコツと、最近のトレンドにみる失敗しないためのコツをご紹介していきます。

その1:今の自分たちの生活を知ろう

想像や希望だけがあふれた間取りは「使いにくい」間取りになることもある

夢のマイホームとなるとみなさん間取りにもたくさんこだわりを取り入れたいですよね。最近ですとインスタグラム等のSNSの普及もあり、いろいろとオシャレなインテリアや空間の投稿を参考に間取り図を考えている方も多くなっています。
そんななかで大切になるのが「今の自分たちの生活を知る」ことです。
いざマイホームを建てようとなると、夢や希望でいっぱいになります。あれもこれも叶えたいとなったときに陥りがちなのが、自分たちの生活のイメージができていないまま希望だけを取り入れて間取り図の作成を進めてしまうことです。
生活の実情を知らないままに想像だけで間取り図を作ってしまうと、結果として使わない、または使いにくい間取り図ができてしまいます。
多くの方は、新しい家を建てたらガラッと生活スタイルが変わるとイメージしがちです。ただ、実際は本質的な生活スタイルはあまり大きくは変わりません(変えられません)。

1日の生活の流れを箇条書きのように書きだしてみる

自分たち家族の生活スタイルに合ったより良い間取りのあり方を具体化するためには、「朝何時に起きて、何時からお弁当をつくり、そこからなにをして・・・」といったように一日の行動の流れを把握し、それをより楽にスムーズにおこなえるようにしていくことが大事になります。
まずは、ご家族全員分、1日の生活の流れを箇条書きのように書きだしてみましょう。そうすることで不便に思っていることや逆にうまくできていることが見えてきます。

その2:家族で意見を話し合おう

「不満に思っていること」は?「うまくできていること」は?

家族それぞれの生活スタイルの把握ができたら、次におこなうのが、その生活スタイルのなかで「不満に思っていること」と「うまくできていること」を家族で話し合って共有することです。

「解決したいこと」、「取り入れたいこと」に対して、家族みんなで優先順位をつける

そのうえで、間取りを新しくすることによって「解決したいこと」、「取り入れたいこと」に優先順位をつけていきましょう。
もちろん、すべての希望を叶えられれば理想ですが、実際には予算や土地の問題、法律的な制約などで叶えられないものもでてきてしまいます。
もし家族の意見がまとまっていないままで、間取り検討を始めてしまうと、どれを取り入れ、どれを我慢するのかがあいまいになり、結果として満足できない家になってしまいます。
そのため、間取りへの要望が洗い出せたら、「絶対取り入れたい」「取り入れたい」「できれば取り入れたい」「取り入れなくても困らない」などに分類し、それぞれをなぜ取り入れたいとおもったのか、理由を具体的に考えてみましょう。
たとえば、お父さんにとっては取り入れたいことでも、もしかしたら他の家族にとっては必要ないものかもしれません。家族それぞれの意見をまとめ、どんなことを叶えたいのかを家族のなかで共有しておくことが大切です。

その3:その土地の特徴を知ろう

その土地が間取りを決める

自分たちの生活スタイルを知り、家族での意見がまとまってきたら次におこなうのが、「その土地(建築予定地)の特徴を知る」ことです。
土地の広さによって物理的に建てられる大きさが変わりますし、道路の位置やそのまわりの景色、日当たり、風の流れなども間取りに影響します。「その土地が間取りを決める」といっても過言ではありません。
一般的には南側に道路があって、たくさん陽があたって明るい土地が良いとされています。しかし、実際にはその道路にはクルマや人がたくさん通り、カーテンも開けられないとなるとどうでしょう?必ずしも理想的な土地とは言えませんよね。
接道や隣家との距離、日当たりや風の流れ、その土地から見える景色・・・いろいろな面からその土地の特徴を考えると、どの土地にも必ず一長一短があることが分かってきます。
できる限りその土地の特性を生かした気持ちの良い生活ができる間取りを自分たちの暮らしの要望と照らし合わせて考えていきましょう。

土地の特徴を考察した例
  • 東側に道路 車通りは多くないが小学生の通学路となっている
  • 南側に3階建ての住宅が建っており、冬は陽が入りにくい
  • 家の北側にすごくきれいな桜並木がある。
  • 1年を通して風がよく通る(冬は風がすごく強い)

おおまかに部屋の配置を考えてみよう

おおまかに部屋の配置や空間を設定していく『ゾーニング』をおこなう

さて、自分たちの生活を知り、土地の特徴をつかむことができたら、次はおおまかに部屋の配置を考えてみましょう。このタイミングでは、こまかな広さの設定や具体的な収納やドアの位置まで考えずに、どの辺りにどんな空間を持ってきたいかイメージしてみるだけで大丈夫です。
このおおまかに部屋の配置や空間を設定していくことを『ゾーニング』と言います。

ではこのゾーニングはどのようにおこなっていけばいいのでしょうか?

ゾーニングのキホンは「外から内」への順番で考えること

間取り検討するにあたっては、「外から内へ」の順番で考えるのがコツです。
先に調べた土地の特徴をもとに、道路の位置、日の入り方や風の流れ、部屋からの眺望などを参考にして「道路がこっちだからこの辺に駐車場かな?」「車は2台と来客用1台くらい用意したいな。」「最近は通販の活用が増えたけどあまり敷地の奥まで入ってほしくないな?」など、建物の外から順番に考えていきます。

屋外のゾーニングをおこなうと、建物全体の輪郭が見えてきます。
建物の輪郭が見えてきたら玄関からつながる客間やリビング・ダイニングなどの家族が集まる空間を中心に設定します。LDKもおなじように土地の特徴を考慮して、おおまかに設定していきましょう。
その後は、LDKからキッチン、浴室などの水回りの位置等を決め、最後に寝室・子ども部屋などの居室を決めていきます。

ゾーニングは必ずしも自分たちでおこなう必要はない

ただし、ゾーニングは必ずしも自分たちでおこなう必要はありません。
家族の話し合いで、課題と希望の整理ができており、土地の特徴もつかめていれば、それをもとに、間取りのプロである設計士や建築家に相談することも有効です。

ここが重要!「5つの動線」について考えよう

ここまでで、おおまかな部屋の位置が決まります。ここからは、いよいよ具体的な間取りの検討に入ります。
間取りの検討にあたって重要なことのひとつが、部屋から部屋への「動線」です。
家族の集まるリビングを例にとってみても、いくら広く、快適にしたとしてもその空間だけですべての生活が完結することはありません。
実際には「キッチンで料理をしながら、洗濯機も同時にまわし、さらに部屋で寝ている子どもを起こして、ご飯を食べさせながら、自身の出勤の準備をする」といったように朝の1つのシーンを切り取っただけでもさまざまな動きがあります。
この空間と空間を移動する人の動きのことを「動線」(もしくは「導線」)といいます。
ここからはそんな動線の種類と考え方について説明していきます。

重要な動線1:家事動線

重要な動線の1つ目として、『家事動線』があります。家事動線という言葉は、みなさんも聞いたことがあるかもしれませんね。家事動線とは、炊事や洗濯、掃除などいわゆる家事における動線がこれにあたります。
たとえば、料理のためには買い物も必要ですし、買ったものをしまう場所や、料理後にでたゴミを捨てる作業、料理をしながら洗濯することもあります。
洗濯にも、洗う・干す・取り込む・たたむ・しまうなど、いくつかの工程があります。洗濯機の場所や干す場所、洗濯物をしまう場所が1・2階で離れていれば階段の上り下りを何度もしなくてはいけませんので注意が必要です。

重要な動線2:生活動線

次に考えていきたいのが『生活動線』です。
生活動線とは、「リビングからトイレやお風呂へ」「お風呂からあがったら2階の自室へ」など、家事以外の生活のなかでおこなわれる動き全般を指します。

重要な動線3:来客動線

3つ目が『来客動線』です。来客動線とは、家族以外のお客さまが家を訪れた際の動線になります。動線を考えるときは、どうしても家事動線や生活動線といった家族の動きに注目されがちですが、来客動線も非常に重要な動線です。
たとえば、「トイレに入りたいけどお客様が来ていて入りにくい」「子どもの友だちが手を洗うのに脱衣所までが遠い」など、みなさんも知人や友人の家を訪れた際に、経験されたことがあるのではないでしょうか。
来客の多い家、少ない家でも考え方が変わってきます。

重要な動線4:通勤動線

朝起きて仕事や学校へ出かけるまでに通る経路が「通勤動線」と言います。
お父さんやお母さんが仕事へ出勤するシーン、子どもたちが学校へ出かけるシーン、朝の時間はとても忙しくなりがちです。いろいろなところで動線が重なることが想定されるため、配慮しておかないと毎朝家族でケンカになってしまうおそれもあります。

重要な動線5:衛生動線

生活動線にも含まれますが、そのなかでも特にトイレや浴室へ移動する経路に注目したものが衛生動線になります。トイレの配置によっては来客時に使いにくいことやトイレの音が生活空間に聞こえて不快というケースも考えられます。
また最近ではニューノーマルな時代の到来により来客者へ手洗いをうながすケースも増えてきております。

5つの重要動線に共通して言える、忘れてはいけないこと

すべての動線を短くすることはできない

ここまで5つの動線についてまとめていきましたが、忘れてはいけないのは、「すべての動線を短くすることはできない」ということです。
なにかを近くに配置すれば、必然的に遠くにいってしまう空間がでてきます。したがって、どのような間取りにも、どうしても一長一短がでてきてしまいます。
こちらについても、希望する動線に優先順位をつけて、できる限り動線がスムーズになるよう考えていきましょう。

ここも重要!「収納」の考え方

ここまでで動線の流れを考えた空間の配置がある程度決まってきます。動線を考えたことで、人の流れについておおよそつかめてきているのではないでしょうか?
次におこなうのが、収納の計画です。

収納の適量ってどれくらい?

収納の適量は戸建ての場合全体の面積に対し、「12~15%」程度とよく言われています。では、本当に住宅面積×理想の収納率で収納を用意すれば正解なのでしょうか?

その答えは「収納の適正な量に正解はない」

数字だけを考えて収納を配置すると、全然足りないということや逆に入れるものがないという失敗をしてしまう恐れがあります。
また収納をたくさん用意したことで他の空間が圧迫されてしまっては本末転倒ですし、収納があるからといって、何年も使っていないようなものをずっとしまっておくスペースにしてしまうのももったいないです。

家族の数だけ、適切な収納のパターンがある

家族によって仕事も違えば、趣味も違います。ではどのように収納を考えていけばいいのでしょうか?

基本的な収納の考え方

「収納に関して現状の困っている状況」を確認する

現状の状態でどのような収納があり、その状態だとどのようなものが外に散らかってしまいがちなのか、まずはその状況を把握しましょう。
たとえば、毎月のように送られてくる光熱費等のハガキ類、後から家計簿をつけようと思って出しておいたレシート、仕事から帰ってきたときのカバンやコート、またそこから着替える部屋着などお部屋を見回してみるとLDKだけでも多くのものが出しっぱなしになってしまっていることがあります。さらに、小さな子どもがいるお家では、おもちゃや文房具、また学校のプリント類の収納に困ることが多いです。
洗面所やトイレでは、トイレットペーパーなどのストック品、タオルをしまう場所に注意が必要です。玄関では、靴や子ども用のベビーカー、お父さんのゴルフバッグなどさまざまなものがあります。
こういった収納の現状を把握する方法としてオススメなのが、「ありのままを撮影する」ことです。普段のありのままの状態を何枚か撮影しておくことで、日常的に外にでてしまっているものを把握することができます。
間取りをプロに相談するにしても、きれいに片付けてしまった状態を見てもらっても意味がありません。なにが必要で、なにが足りていないかをアドバイスできないからです。

「そのモノのための収納は本当に必要か」を見直す

現状を把握できたとしても、その問題が、収納が足りないことが原因で起こっているのか、それとも収納量は充分にもかかわらず、ずっと使っていない必要のないものの置き場になってしまっているから起こっているのかによっても対応策が変わってきます。
先ほど例に挙げたゴルフバッグも、5年以上しまいっぱなしだったとしたら新しい家でも必要なものになるでしょうか?
家づくりをいいきっかけと捉え、「家に必要なもの」の見直しをおこないましょう。思い切ってモノを処分することも考えてみましょう。

納戸のような大きな収納スペースをなんとなく配置しないこと

現状把握と収納物の見直しができたら、いよいよ必要な収納スペースを考えていくのですが、そこで陥りがちな失敗が、納戸のような大きな収納スペースをなんとなく配置してしまうことです。
収納には、適材適所があります。「どこでもいいからしまえればよい」というわけではなく、その場所にないと不便というものが多いのです。
ダイニングの近くには食器やグラスのしまえるようなものがあると便利ですし、リビングにはテレビ関連のアイテムや先にあげた書類関係をしまう場所、玄関にはカバンやコートをしまえるような、ちょっとした棚とハンガー収納などもあると便利です。
大きい空間はたくさんのものを入れられますが、たくさん入れてしまうと奥のものは非常に出しにくく存在を忘れてしまうこともあります。
むしろ、こまごまとしたものをしまえる奥行きの浅いちょっとした収納の方が使いやすくオススメです。

家族で収納のルールをつくる

これらの収納の配置と合わせて重要なことが「家族で収納のルールをつくっておく」ことです。
どこになにをしまうということを家族でルールを決めておけば、使った人がきちんとしまうようになります。家族の1人だけが整理してしまっていると、結局その他の家族はどこに置いていいかが分からず、出しっぱなしになってしまうのです。
「もう、みんな出しっぱなしで片づけもしないで!」というのは、片づける気がないのではなく、どう片づければ良いのかが分かっていないということも意外と多いです。

ボックスやカゴにシールを貼っておくなどの工夫をすれば収納できるようにしてあげれば、みんなで気持ちよくルール通りの収納ができますし、お子さまでも整理整頓できるようになります。

【空間別】収納検討のポイント

収納といってもたくさんの種類の収納があります。そこで、どのような収納があってどう考えたらいいか空間ごとに簡単にまとめていきます。

玄関まわりの収納

玄関は家族だけではなく、お客様の目にも多く触れる箇所になります。なるべくスッキリと、きれいに見せたいのではないでしょうか?

玄関まわりの収納の例としては、従来の靴や傘をしまうシューズクロークだけでなく、昨今では仕事で使うコートやカバンをしまえるハンガータイプの収納、趣味のゴルフバッグや赤ちゃん用のベビーカー、子どもの自転車をしまえる土間収納などが人気です。

玄関まわりの収納を考える際は、今困っていることだけでなく、長期的な目線でも考えてみましょう。
お子さまが小さいうちは玄関に収納したいモノは多くなりがちです。ただ、冷静に考えてみると、一生のうちでも一時期の期間です。その一時期のためだけにどこかを削って玄関に大きなスペースをつくることが有効かどうか、大きな玄関収納が将来にわたっても使い道があるかを考え、必要な広さを検討しましょう。

洗面所・脱衣所・トイレの収納

洗面所や脱衣所、トイレに多く必要となるのが、タオル等の日常的に使うものの置き場とトイレットペーパーや洗剤、シャンプー等のストック品の置き場です。
タオルの必要数は家族の人数や洗濯の頻度によっても変わります。毎日洗濯するのか何日かまとめて洗濯するのかではストックとしておいておく枚数は変わりますし、また家に宿泊するようなお客様が考えられる場合はお客様用のタオル等を持っておくことも考える必要があるかと思います。
ストック品に関してもルールを決め、残り何個になったら新しく買い足すかなど、家族で決めておくと良いでしょう。

LDKの収納

LDKは家族が最も多くの時間を過ごす場所です。
しかし、LDKはリビング・ダイニング・キッチンと空間ごとでも必要なものが異なっており、モノをしまう場所も若干変わってきます。
キッチンについては、家族分の食器やお箸・ナイフ・スプーンだけでなく、来客時用のものが最大どのくらいの来客が見込まれるかでも必要な収納量が変わります。
家族分の食器も、使わないまま奥に眠ってしまっているのではスペースがもったいないので整理しましょう。

それ以外にも、食品庫(パントリー)など、食材のストックスペースで部屋をつくる方もいますが、最近では、隙間を埋めるような引き出し式の収納も増えてきているためパントリーまでつくる必要があるかなど、別の方法も含めて最善策を検討しましょう。
また、グラスを置くような収納スペースをつくったり、テレビ用品、書類関係などジャンル別に分かりやすく分別したりできるように考えましょう。

最近は、除菌シートや除菌スプレーなどの利用も増え、使い捨てマスクも日常的に使うようになっております。よく使うモノは専用のスペースを確保してあげると、ニューノーマルな生活様式に適した収納計画が組み立てられます。

主寝室の収納

主寝室の収納というと多くの方が思い浮かべるのがウォークインクローゼットかと思います。ウォークインクローゼットの良いところは、なかに入って着替えることができる点です。また、洋服だけではなく、季節の冷暖房器具や趣味のアイテムなどさまざまなものを収納できるスペースとしても活用されています。

ウォークインクローゼットは多くは主寝室のなかにあることが多いですが、必ずしも主寝室の中にあることが良いとは限りません。
たとえば、それぞれお休みの違うご夫婦であれば、どちらか寝ている時間帯に着替えたり、お化粧をしたり、場合によっては服をまた着替えたりと、何度も出入りを繰り返すことも考えられます。その動きで、寝ている相手を起こしてしまうことも考えられます。また、「お化粧を1階の洗面所でおこない、着替えは2階の寝室の奥にあるウォークインクローゼット」となれば、移動距離も長くなってしまいます。
解決策の例としては、1階に別途ファミリークロークをつくることや、ウォークインクローゼットの位置を2階にあがってすぐの廊下から入れる場所に設計することが考えられます。

その他の収納

これら以外にも、階段下のスペースを利用した階段下収納に掃除用品をまとめてしまう。壁に埋め込み式の本棚を設置し、本を並べる。小屋裏収納に使用頻度は多くないが、定期的に必要になるものをしまっておくなど収納には種類があります。
こちらも前述したように必要性とルールづくりを検討し、本当に必要かどうかの目線で導入を検討しましょう。

最近はどんな間取りが流行っている?

SNSの普及やコロナ禍におけるニューノーマルな生活スタイルへの変化など、間取りに求められる要望も日々変化しております。
そこで、間取りに関するトレンドをご紹介したうえで、採用する場合の注意点ついてご紹介していきます。

玄関手洗いスペース(コロナウイルス対策)

ニューノーマルな生活スタイルへの変化に伴って、ご希望が多くなった間取りのひとつに玄関手洗いスペースがあります。
コロナウイルスの蔓延により手洗い・うがいが励行されるようになり、外から帰ってきた子どもだけではなく、来客者が使用することも多くなったことで選ばれることが多くなってきました。

玄関手洗いスペースを採用すること自体は簡単ですが、注意しないといけないのは日頃のお手入れです。
玄関はお客様も含めて、家に入って最初に目につく場所になります。水まわりはどうしても汚れやすいため、毎日きれいにしていけるかといった観点からも検討が必要です。
きれいに保つことが大変な場合は、玄関に手洗いスペースを設置するのではなく、玄関から洗面所への動線が短くなるように間取りを作る方法もあります。

書斎、ワーキングスペース(在宅勤務、リモートワーク)

玄関手洗いと合わせて最近需要が多くなってきたのが、書斎やワーキングスペースです。コロナウイルスの影響で、在宅にてリモートワークをおこなうことが日常の一部になりました。夫婦ともリモートワークをおこなうというご家庭も増えてきています。

書斎として独立した空間で取る方法もありますが、LDKの一角として子どものリビング学習スペース、家事スペース、お仕事スペースとフレキシブルな使い方のできるワーキングスペースとして設けると便利に使えます。

書斎やワーキングスペースを検討する際の注意点としては、「書斎をつくったはいいけど結局、物置になってしまった」というケースも少なくありません。将来的な時間軸で考え、ずっと利用できる空間か、他よりも優先して必要なスペースかを慎重に検討しましょう

ファミリー玄関(お客様をお迎えする新しいスタイル)

最後にご紹介するのがファミリー玄関です。「ファミリー玄関」とは、お客様が使う空間(メイン玄関)と、家族が使う空間(ファミリー玄関)に仕切りがある玄関のことです。
家族用と来客用で玄関を入ってからの動線を分け、家族用の動線には収納を充実させ、一方来客用の玄関をすっきりとオシャレに見せたいということから、要望が増えております。

ファミリー玄関のメリットは、来客用の玄関を常にきれいに見せることができることです。玄関には家族分の靴やベビーカー、スポーツ用品など色々なものが外にでてしまうことがありますが、いずれも見えてきれいなものではありません。
それを家族用の玄関側に収納することで来客用の玄関をすっきりと、またしつらえによってオシャレに見せることが可能です。

逆にデメリットとしては、余分にスペースが必要になることです。玄関を分けるためには、もちろんそれだけの追加スペースが要ります。またメリットを生かすためには、家族玄関側にある程度の収納スペースを設けてあげないとメリットが生かしきれません。そのため、ファミリー玄関をつくることで家の面積が大きくなってしまう、また場合によっては、他の空間が狭くなってしまうなど生活スペースを圧迫してしまう場合が考えられます。
その他にも来客動線が優先されることで家族の生活動線も長くなってしまいがちです。普段メインで生活する家族が使いにくい玄関となってしまうことで、結果的に来客用玄関を普通に使うようになってしまったということも少なくありません。
メリット・デメリット両面を考え採用を検討しましょう。

トレンドの間取りを取り入れる際、失敗しがちな「3つの空間」

最近流行していて取り入れる家族が増えている間取りでも、深く考えずに採用した結果失敗してしまったというケースがあります。そんな失敗例を3つご紹介します。

リビング内階段

まずは、リビング内階段です。
リビング内に階段を設けることで家族が必ずそこを通るため、自然と会話がうまれ、コミュニケーションになると一時期採用する方が大変多くなり、今も人気の間取りです。
メリットとしては自然と家族を感じることができ、コミュニケーションがうまれやすい点、階段の種類により開放感を演出できる点などがあります。

しかし、リビング内階段には次のようなデメリットもあります

リビング内階段のデメリット
  • プライベートが確保しにくい
  • 空調が効きにくい
  • 音やにおいが漏れやすい

順に詳しく解説していきます。

プライベートが確保しにくい

たとえば、子どもが友だちを連れてきたとして、その際にお母様がソファーに「すっぴん」でテレビを見てくつろいでいたとします。必ず個室にいくためにはその空間を通りますので、すっぴんを見られたくない方は、常に気を配っておかないといけなくなります。

空調が効きにくい

リビング内階段は、階段を通して1階と2階をつないでいます。
空気の性質上、暖かい空気は上へあがり、冷たい空気は下がってきます。
階段の前にドアをつけて空間を分けることができるようであれば問題はないですが、開放的なオープン階段などにすると冬に暖房を使っても暖まりにくい、冷たい空気がうえから降りてきてしまうため、冷暖房効率の点ではマイナスになります。

音やにおいが漏れやすい

最後に、音やにおいが漏れやすい点もデメリットです。
階段で1階と2階がつながっているため、1階のキッチンでにおいの強い料理をした場合は、そのにおいが2階へあがってしまいます。また、お子さまが騒いだりするとその足音や声も漏れやすくなります。

ファミリー玄関

2つ目はトレンドでも取り上げた「ファミリー玄関」です。
ファミリー玄関には前述のデメリットの他にも採用にあたりしっかりと考えておかないと失敗してしまう点が複数あります。いくつか紹介します。

ファミリー玄関のデメリット
  • 来客の頻度が少ないとデッドスペースとなる
  • 家族内で使用ルールを作る

来客の頻度が少ないとデッドスペースとなる

来客がほとんどないにも関わらず来客専用のスペースをつくれば、当然無駄が多くなり、毎日を過ごす家族にとっては使いにくくなってしまうことです。
家族が住みやすくなるようにと取り入れたにも関わらず、ほとんど使う方がいないとすればもったいないですよね。

家族内で使用ルールを作る

またファミリー玄関を採用するにあたり、必要なことが家族の中できちんとルールをつくることです。
来客用玄関があることで、家族用の玄関をきれいに維持することをおろそかになってしまうこともあります。ルールを決めておかないと例えば子どもが他の家に遊びにいったときに靴を脱ぎっぱなしにするような子どもになってしまう恐れがありますし、玄関はきれいになっても他の場所が片付けできずに汚くなってしまうかもしれません。
採用するのであればきちんと意図したものが意図したように使われるように家族内で片付けのルールを話し合い、達成できそうであれば採用するようにしましょう。

吹き抜け

3つ目は吹き抜けです。吹き抜けを採用したリビングは開放感があり、非常に見栄えが良いです。友だちの家やSNSで見てぜひ採用したいという声も少なくありません。
しかしこの吹き抜けにもいくつかデメリットがありますので3点ほど紹介します。

吹き抜けのデメリット
  • 2階のスペースが削られてしまう
  • 冷暖房効率が悪くなり、光熱費が高くなってしまう
  • お手入れが大変

2階のスペースが削られてしまう

吹き抜けをつくるということは、その吹き抜け空間につくれたスペースが削られることになります。
吹き抜けをつくる場合の多くは、開放感や日当たりを取ることが目的です。そのためには小さな吹き抜けをつくっても意味をなさないため、大きな吹き抜けにせざるを得ず、8畳~10畳以上の大きさになることも少なくありません。
それだけのスペースがあればもう1部屋増やすこともできます。他の空間との兼ね合いで優先度が高いかどうかを考える必要があります。

冷暖房効率が悪くなり、光熱費が高くなってしまう

次に冷暖房効率です。これはリビング内階段の考え方と同じで1階と2階がつながることで冷暖房が他の空間へ逃げてしまうため、効率が悪くなります。
また光熱費自体もそれに伴いあがってしまうことがありますので注意が必要です。対策としてはシーリングファンや全館空調などである程度対策はできますが、吹き抜けなしと比べるとどうしても効率は悪くなってしまいます。

お手入れが大変

本来の天井高であれば、低い脚立があれば天井の照明変えられますし、窓の掃除もできます。しかし、吹き抜けとなると床から天井まで6m以上になることもあるため、照明の交換や窓の拭き掃除等も一筋縄ではいきません。照明の種類への配慮や窓の掃除をする場合に特殊な道具を使用するなど、吹き抜けを採用したはいいが、お手入れができないといったお悩みも少なくありません。

まとめ

ここまでお読みいただいたように、間取りには家族の数だけ考え方があります。
お友だちの意見やSNSを参考にすることもよいことですが、あまりそれに引っぱられすぎず、自分たちの家族にあっているかどうかをきちんと検討しましょう。
最近のトレンドは、メリットだけではなく、デメリットも考えて取り入れるべきかどうかを判断しましょう。

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