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【間取りの実例解説】気をつけないと失敗する!来客動線の注意点

「夢のマイホーム」を実現するにあたり、動線計画が非常に重要になります。(動線とは)しかしそれはひとつの動線を配慮するだけでは叶いません。よく言われる「家事動線」以外にも重要な動線はさまざまあります。 そのなかでも今回は「来客動線」について、間取りの実例を交えて、検討時のポイントやコツを解説していきます。

「来客動線」とは家族以外のお客様が家を訪れた際に通る動線のことを差します。
玄関でお客様を出迎えるケースや、家のなかにあがってもらってリビングや客間に通すケースもあると思います。どうしても家事動線や生活動線が重要視されがちですが、これを考えておかないと家族もお客様もお互いに嫌な思いをすることもありますので重要な動線となります。

【実例解説】気をつけないと失敗する、来客動線の考え方

セキスイハイム東海で来客動線を工夫した建築実例を2つご紹介します。

建築実例:ファミリー玄関の配置、プライバシーとの両立の間取り

「ファミリー玄関」とは、お客様が使う空間(メイン玄関)と、家族が使う空間(ファミリー玄関)に仕切りがある玄関のことです。

  • ファミリー玄関を設けることで家族用と来客用の入り口が別れるため玄関をすっきりと見せることが可能になる(子どもが多く靴が多いなど、玄関が散らかりがちな場合は非常に有効)
  • 注意点としてはスペースをかなり大きく取るため、来客数や全体とのバランスを考えて配置する
  • 来客用玄関から客間までの流れのなかに手洗いスペースやトイレを配置することで、生活感ある場所を来客者に見せずに済み、お互いに気まずくならない
  • 玄関にトイレがあると来客中はトイレに入りにくいため、来客があった際の動きを想定し、玄関からリビングや客間への流れを設計
  • 来客者がお手洗いにいく際に、キッチンなど生活感の見える場所を通らないといけないとなるとプライベートな部分が丸見えで恥ずかしい思いをしてしまう。客間からトイレや手洗い場への動線が、生活動線を被らないように設計
  • プライベートな空間が見えにくいようにドアや収納を配置

来客動線でよくある失敗

「来客時への配慮」は、実は家を建てたあとで悔やむことが多いことのひとつです。
「自分たちが快適に暮らすためなのに来客のこと?」「うちはほとんど人を家に呼ばないから問題ないでしょ」と思うかもしれません。
しかし、来客シーンのことを考えておかないと、あとから悔やむことになりかねませんので、以下のよくある失敗例を参考にしてください。

  • トイレを玄関の横に設置したことで来客時に入りにくい
  • お風呂からLDKや階段までのルートに玄関を通らなくてはならない
  • 玄関からリビングや客間までにキッチンや洗面所などのプライベートなところが丸見えになってしまう
  • 来客に手洗いをうながす際に洗面所内の脱いだ衣服や室内干しが丸見えになってしまう

このように、主にプライバシーとの両立が注意すべき点です。

来客動線を検討する際の3つの工夫ポイント

1:来客動線で重要なことは「動線を交差させない」

来客動線を検討するうえで最も重要なことは「動線を交差させないこと」です。
来客動線の場合は交差するのが家族と家族以外になるため、生活動線以上にこの点の配慮が重要です。
よくある失敗でもお伝えしたように、玄関にトイレがあると来客中はトイレに入りにくくなります。また、来客者が手を洗える場所が、キッチンを横切る・脱衣室と一緒の空間にあるなど生活感の見える場所を通らないといけないとなるとプライベートな部分が丸見えで恥ずかしい思いをしてしまうかもしれません。
こういった失敗をしないためには、来客があった際の動きを想定し、玄関からリビングや客間までの流れ、またそこからトイレ・手洗い場へのアクセスなどを図面上でシミュレーションしてみることをオススメします。

2:間取りを大きく変えるのではなく、視界をさえぎるちょっとしたコツを取り入れる

来客動線には注意が必要ですが、そのためだけに大きく間取りを変えるのもなにかもったいない気がしませんか?
あくまで家族の生活を豊かにするためのマイホーム計画なのに来客者のことばかりでは満足のいくものにはなりません。
そのためのコツとして大きく間取りを変えるのではなく、トイレの扉の前に収納や飾り棚、壁をつくってあげることで来客者の視線をさえぎることができます。このようにちょっとした配慮で解決できることもあります。

3:来客の頻度にも考慮して優先順位を考える

来客動線を考える際は来客の頻度も考えてみましょう。
自身の友だちや子どもの友だち・学校関係者、親や親族、自治会などのご近所さん、郵便屋さんなど来客者の種類もさまざまです。
あまり人を家に呼ぶタイプではないにも関わらず、来客動線のために家族専用の玄関を設けたり、洗面台を家族用、来客用で2箇所つくったりすることはもしかしたらやりすぎている可能性もあります。
また今はアパートだからあまり人を家に呼んでいないだけでマイホームができたら毎日のように子どもの友だちやママ友が集まる家になるかもしれません。
来客の頻度についても考え、どの程度優先的に配慮していくのか事前に家族で検討しましょう。

家族の意見をまとめ、間取り作成のプロに依頼しよう

今回の「来客動線」、また他の記事にある「家事動線」「生活動線」「通勤動線」「衛生動線」と動線の種類はさまざまです。
すべて良くしたいと思っても実際間取りをつくるうえで近くにくるものがあれば遠くになってしまうものも必ずでてきます。
優先順位をつけ必ず取り入れたいものからそうでないものまで家族で話し合い共有するようにしましょう。

家族の意見をまとめいざ間取りをつくろうと思っても実際にはそんなに簡単ではありません。自分たちでやみくもに間取り案を練るよりも、今まで何十件、何百件と間取りをつくっているプロに間取り提案をお願いしたほうがより良いものができる可能性が高いです。

ただし、プロが良い間取り提案ができるかどうかは、そこに住む皆さんの生活スタイルやご要望をしっかりと理解できているかどうかによって決まります。
何も検討せずにお願いするのではなく、今回の記事で伝えたようなことが家族で共有化され優先順位づけしたものをお伝えいただければ、それを考慮した間取り作成をしてもらえますし、提案された間取りに対して、皆さんが良いかどうかの評価もしやすくなります。
みなさまの夢のマイホームが最高のものとなりますように!

セキスイハイム東海の間取りプランニングサービス

他の動線について詳しく知りたい方へ

間取り設計時に気を配るべき動線は他にも4つあります。
それぞれの動線検討ポイントが気になる方は下記ページをご覧ください。

  • 「家事動線」
    調理や洗濯、掃除などの家事を行う際に通る経路をあらわす動線です。
  • 「生活動線」
    生活のなかで人が家のなかを移動する時に通る経路全般がこれにあたります。
  • 「通勤動線」
    朝起きて出かけるまでに通る経路が通勤動線です。
  • 「衛生動線」
    生活動線にも含まれますが、そのなかでも特にトイレや浴室へ移動する経路に注目したものが衛生動線になります。

間取りについて事例を知りたい方へ

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