こんにちは!注文住宅を検討中の皆さん、「ヌック」という言葉を耳にしたことはありませんか?
SNSの影響もあり、ヌックの注目度が高くなっています。
こちらの記事では、ヌックとは何か、書斎との違い、そして後悔しないために注意すべき5つのポイントについて詳しく解説します。
この記事を読むことで、ヌックの魅力や注意点を理解し、理想の住まいづくりに役立てることができます。注文住宅を検討しているご家族は、ぜひ最後まで読んでみてください!
ヌックとは?
ヌックとは、家の中にある『こじんまりとした居心地の良い空間』のことを指します。
スコットランドの暖炉のそばにある腰掛けスペース「neuk(ヌーク)」が語源の由来と言われていますが、厳密なルールは設定されていません。
日本で採用される場合は、隣の空間との境に段差をつけることで空間を区切って採用されるケースが多く、約1-2帖程度の広さの空間がよく見られます。
ヌックの設置場所としては、リビングやダイニングの一角、階段下のデッドスペースの利用、廊下の一部や窓枠を利用したものなど、さまざまな場所で採用されています。
ヌックの用途
ヌックの用途は様々です。
リビングの一角にヌックを設置することで、家族がテレビを観ている横で別の家族が読書や趣味に没頭することができます。
その他にも階段下のデッドスペースを活用して家事の合間にひと休みできるスペースを作ったり、ダイニングヌックとして、食事する空間を飲食店の半個室のように作りこんだりと様々なケースがあります。
いずれのケースも共通しているのは、家族を感じられる共用の空間の中に、自分だけの時間を持つことができる点です。

書斎との違い
1-2帖のコンパクトな空間という点では、ヌックも書斎も共通しています。
しかし、その使い方は大きく違います。
書斎は、主に仕事や勉強、個人の趣味を楽しむためにつくられることが多く、プライバシーに配慮してつくられます。
一方ヌックは、家族とゆるやかにつながれるようにオープンタイプでつくられることが基本です。
床を少しあげ、天井を低くしたり、壁を立てたりすることで空間を区切りますが、ドアをつけて完全に区切ってしまうことはありません。
また、書斎の場合は使う対象が基本1人であることが多いですが、ヌックの場合は1人に限らず、親子で並んで読書をしたり、キッズスペースとして子どもたちが遊んだりと複数人で使えるよう作られるケースもあります。
書斎について詳しく知りたい方はこちら▸

ヌックのメリット・デメリット
住まいにおしゃれさや豊かさを与えてくれメリットの多い印象のヌックですが、デメリットも存在します。それぞれ解説していきます。
ヌックのメリット
家族とつながりながらも自分の時間を過ごせる
スマートフォンの普及や趣味の多様化により、家族全員が1台のテレビの前に集まって視聴するという生活スタイルは年々減少しています。
そこで、活躍するのがヌックです。
ヌックを設けることで、リビング・ダイニング・キッチン(LDK)内に新たな居場所を作ることができます。
これにより、テレビを観ている横で読書を楽しんだり、スマホで別の動画を見たりと、家族の存在を感じながらも自分の時間を過ごせる場所が生まれます。
空間の有効活用が可能
ヌックを作ることには、空間の有効活用という大きなメリットがあります。
例えば、階段下や廊下の端、部屋の隅など、デッドスペースになりがちな場所をヌックとすることで、本来活用しにくい場所が読書やリラックスのための小さなコーナーに早変わりします。
1帖程度あればつくれるため、お手軽な空間利用法ですね♪
多用途に使える
ヌックにはさまざまな活用方法があります。
- 読書コーナー
- 作業スペース
- リラックススペース
- キッズスペース
- ペットスペース
などヌックのサイズや形状、個々のニーズに応じてさまざまにカスタマイズすることができます。
1-2帖の空間で生活を豊かにしてくれる点はメリットと言えるでしょう。
SNS映えする

InstagramやPinterestなどのSNSでおしゃれなヌックの画像を見て採用したいと考える人も多いでしょう。
入口をアーチにしたり、オシャレな照明やクッション・小物などを活用することで1つのアート作品のような印象を与えます。
SNS映えを狙ってオリジナルのヌックを採用して見るのもいいでしょう。(もちろん実用性も考えましょう)
ヌックのデメリット
余分な空間・コストが必要になることも
デッドスペースを活用してつくるヌックであれば有効活用とも言えますが、ヌックをつくるために家の面積を大きくするという場合は注意が必要です。
面積を大きくすれば、その分のコストが掛かりますし、ヌックを作る場合に壁や床の造作、照明や棚の取り付けなどが伴いますので、その点のコストの増加は見込んでおく必要があります。
他の空間を圧迫してしまう恐れがある
無理にヌックを取ろうとすると、空間のバランスが崩れることがあります。
ヌックをつくることでLDKが狭くなってしまったり、本来収納にできたところがヌックとなることで収納量が減ってしまうことも考えられます。
他の部分で収納量をまかなうことができるか、家具の配置や動線の邪魔にならないかなどよく検討してから採用するようにしましょう。
活用しなくなってしまう恐れがある
ヌックは明確な目的がないと無駄な空間になってしまいがちです。
多用途であるということは裏を返せば専門性がないとも言えます。
つくったはいいものの活用されず、結果的に収納スペースとして使うのであれば、最初から棚を配置して収納として作った方が効率的です。
長期的に見て活用方法があるか考えて採用するようにしましょう。
期間限定の利用になることも
ヌックをキッズスペースとして利用する場合、子どもの成長に合わせて段々と使わなくなる可能性があります。 別の用途にも変換可能か、建築当初から検討しておきましょう。
後悔しないための『4つ』のポイント
ヌックにはメリット・デメリットがあることを紹介してきました。
ここではヌックを採用する場合に気を付けるべきポイントを解説します。
明確な目的を持つ
ヌックを設置する前に、なぜその空間が必要なのかを明確にしましょう。
例えば、読書や趣味の時間を持つためのスペースとして利用するのか、子どもの遊び場として利用するのかをなど、どのように活用するか事前に考えておくことが重要です。
「SNSで見ておしゃれだったからなんとなく取り入れたい」など具体的な用途のイメージがないままに空間だけつくってしまうとインテリアのテイストもぶれてしまいますし、使わなくなってしまうリスクが高まります。
だれがどのように使うのか、将来的な活用方法はあるのか、事前にしっかりと考えましょう。
空間のバランスを考える
使いたい用途によってヌックの設置場所は異なります。
キッズスペースとするのであれば、家族の目が届くような位置、リラックススペースとしてつくるのであれば遮音性や通気性なども考慮する必要があります。
無理にヌックを取ろうとするのではなく、空間のバランスを考慮して設置しましょう。
デメリットでも伝えたように以下のような配慮が必要です。
- ヌックが他の空間を圧迫しないか
- ヌックをつくることで家事動線や生活動線が不便にならないか
- ヌックをつくっても他で家全体の収納量をまかなうことはできるのか
コストを把握する
ヌックを設置するためのコストを事前に把握しておきましょう。
タイプによっても異なりますが、
- 床に段差をつける
- 天井を下げる
- 入口を狭くする
- 隣の空間と壁紙や素材を変える(アクセントクロスなど)
- マットレスやクッション、小物を配置
- 本棚の設置 ・照明の設置
などのコストが必要になります。
どこまでこだわるかによりますが、10万円(簡易的なベンチ程度)~100万円(造作家具の設置)程度のコストが掛かりますので事前に予算に見込んでおきましょう。
換気・空調の計画を忘れない
ヌックは四方を囲わないまでもこじんまりとした居心地の良い空間をつくるために、隣接した空間との区切りをつけます。
リビングの一角に作る場合はよいかもしれませんが、階段下や廊下などに設置する場合は、空気がこもらないように換気設備を設けるようにしましょう。
落ち着いて使えるように暑さ・寒さの対策(空調計画)も必要です。
ヌックの実例紹介
やわらかな北欧ナチュラルな暮らし


リビングの階段下にはおうち型の入り口のヌックを設置。
星型の照明と娘さんのおままごと用キッチンで絵本のような世界観を演出している。
“こもる”心地よさを独り占めする幸せ(静岡パルフェ展示場)


LDKの隅に設置されたダークグレーとウッドで構成されたモダンなリフレッシュ空間。
誰が何に使ってもよい、何もしないでボーッとしているだけでもいい―そんな幸せを享受できる癒しの空間。
落ち着ける個の充実空間(静岡デシオ展示場)


1坪にも満たない仕切られた畳スペース。
作業の合間に寝転がって本を読むなど、時の経過を忘れてしまうような濃密な空間となっています。
住まいの“余白”に心地よい“おこもり”を(清水展示場)

LDKの広がりの中にひっそりと佇む、心の安らぎを与える隠れ家。
ひとり静かに過ごすことができるこのヌックは、まるで詩の一節のように、生活に豊かな情緒をもたらしてくれる。
ヌック空間のある『ヴィンテージ・ヴィラ』(ヌック21秒~)
まとめ
ヌックは、こじんまりとした居心地の良い空間として、さまざまな用途に利用できる魅力的なスペースです。しかし、設置する際には明確な目的を持ち、空間のバランスやコストを考慮することが重要です。この記事で紹介したポイントを参考に、後悔しないヌックづくりを目指してください。
セキスイハイム東海では、注文住宅・分譲住宅を、静岡エリアにてご提案しています。
静岡エリアでのお家づくりはセキスイハイム東海にお任せください!
◆もっと建築実例を見る▸
◆セキスイハイムの展示場を見学する▸