経済産業省にてより高い省エネルギー性能・再生可能エネルギーの自家消費拡大促進を目的として、「GX ZEH」が定義されました。
予定では2027年4月以降に適用されるとされており、断熱性能が6であること、達成するためには高度エネルギーマネジメント・蓄電池の採用が必須であることが要件となっております。
今後の流れとしてそれに伴う補助金が発表される可能性も高いため、家づくりの常識が大きく変わると予想されます。
現段階(2025年10月初)で分かっていることをまとめましたので参考にしてください。
ZEH(ゼッチ)とは
ZEH(ゼッチ)とは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略称で簡単にいうと、「家で使うエネルギー≦家で創るエネルギー」となる住まいのことを指します。

- 家の断熱性を高め(断熱性)
- 省エネ性能の高い設備を導入し(省エネ)
- 自らもエネルギーを作り出す(創エネ)
の3つをすることで、家で消費するエネルギー(照明・冷暖房・給湯ほか)よりも生み出すエネルギー(太陽光発電ほか)を増やすことができます。
今後建築される住宅のほとんどがZEHとなれば、エネルギー消費が抑えられ、CO2排出量の削減、地球環境に配慮された脱炭素社会の実現につながります。 家に住んでいるだけでSDGsに貢献できるなんて素敵ですよね。
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「GX ZEH」・「GX ZEH+」 の定義
経済産業省発表資料によると、
GX ZEH シリーズとは、「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギー等を導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」とする。
とされています。
参照:GX ZEH・GX ZEH-Mの定義<戸建住宅・集合住宅>
「GX ZEH」のほかにより高い省エネ性を求められる「GX ZEH+」、GX ZEHを見据えた先進住宅として「Nearly GX ZEH」、多雪地域や都市部狭小地向けのGX ZEHを指向した先進住宅としての「GX ZEH Oriented」も同時に定義されました。
それぞれの違いを分かりやすく図にまとめました。
断熱等級 | 一次エネルギー消費量 | 再生可能エネルギーを加えた一 次エネルギー消費量 |
|
---|---|---|---|
GX ZEH+ | 6 | 再生可能エネルギー等を除き、 35%以上の一次エネルギー消費量削減 |
115%以上の 一次エネルギー消費量削減 |
GX ZEH | 100%以上 115%未満の 一次エネルギー消費量削減 |
||
Nearly GX ZEH | 75%以上 100%未満の 一次エネルギー消費量削減 |
||
GX ZEH Oriented |
再生可能エネルギー導入不要 |
これに加え設備要件も
上記の定義に加え、以下の設備の採用も必須となります。
高度エネルギーマネジメントシステム
①~④いずれの場合にも戸建て住宅の場合は高度エネルギーマネジメントの導入が必須となります。
エネルギー計測装置(HEMS)により以下の内容が求められています。
- 再生可能エネルギーの発電量等を把握し、冷暖房や給湯設備の制御ができること。
- GX ZEH Orientedを除いて蓄電池の充放電の制御ができること
定置用蓄電池
GX ZEH+、GX ZEH、Nearly GX ZEHの戸建て住宅においては定置用蓄電池の導入も必須です。
現在のZEH及びZEH+では高度エネルギーマネジメントについてはZEH+ではすでに条件となっていますが、蓄電池の導入は求められていません。
しかし、新基準の「GX ZEH」シリーズではこの2つが条件となるため、家づくりの計画に大きく影響する恐れがあります。
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「GX ZEH」はいつから?
経済産業省発表資料によると、GX ZEH の定義(2027 年4 月以降適用)とされています。
「GX ZEH」補助金はあるの?
現段階では補助金の内容まで発表されていません。
しかし、例年ZEHの基準に合わせて補助金が設定されています。
2025年度の基準で「ZEH+」を満たすと「90万円/戸+α」が受けられます。
また現在は受付が終了していますが、同様に省エネの条件を満たした住宅に対し、子育てグリーン住宅支援事業として「GX指向型住宅:160万円/戸」の補助金が受けられた例もあります。
推測にはなりますが、同等かそれ以上の補助金が設定される可能性もあるでしょう。
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まとめ
現段階では定義が発表されたばかりのため、内容や適用時期が変わる可能性もありますが、「GX ZEH」を満たすためには、蓄電池が必須になるという点は大きな変更点です。
蓄電池の導入を想定した予算計画が必要になることが想定され、計画にも大きく影響してくることが考えられます。
これからZEH+の住宅を検討される場合は、2027年以降の動向も踏まえて、蓄電池の導入を視野に入れて検討をしておくことをお勧めします。
最新の情報にも目を向けておくと良いでしょう。

